小児歯科
当院のこどもの歯科治療について
当院での小児の歯科治療は、子供の治療を受ける前から抱いている不安や恐怖を常に緩和しながら、子供が示す行動を理解し、通常の治療の流れにスムーズに移行できる環境づくりが必要だと考えております。
このため治療には、時間的、精神的ゆとりが必要となります。無理やり治療を進めるのではなく、信頼関係ができるまで柔軟に粘り強く対応することにつとめております。
そのため、治療回数、期間がかかることがありますが、御理解いただきます様よろしくお願いいたします。
特に予防的な治療には積極的に取り組んでおります。患者様のご要望に応え、安心・満足のできる治療を常にご提供いたします。
診療内容
お子さんのお口の健康管理と予防処置と予防処置
早期に乳歯を失うことは、永久歯の歯並びや永久歯の強度・顔面の発育にも影響を与えます。当院では定期的なチェックをお勧めしております。
フッ素塗布
フッ素には3つの大きな役割があります。
① 再石灰化を助ける
食事をすると酸によって歯に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルが溶けだします。
しかし唾液中にフッ素イオンが存在していると溶けだしたカルシウムがより多くエナメル質に再吸収されます。フッ素は再石灰化を促進し、歯の修復を促します。
② 虫歯菌が出す酸の生成を抑制する
フッ素は虫歯菌の出す酸の量を抑えることができるため、虫歯を予防することができます。
③ 虫歯になりにくい、強い歯になる
歯の再石灰化にあたり、フッ素は歯の表面のエナメル質の成分と結びついてフルオロアパタイトという、虫歯菌の酸に対して非常に強い構造になります。
この働きによりミネラルが溶けだしにくく、虫歯になりにくい強い歯になります。
シーラント
シーラントとは、奥歯の溝を樹脂で塞ぐ虫歯予防法です。
奥歯の溝は複雑な形をしており、磨き残しが蓄積しやすいのですが、シーラントで奥歯の溝を塞ぐことにより、奥歯を磨きやすくし、虫歯を防ぐことができます。
むし歯の治療
- 小さな虫歯の治療は詰め物(コンポジットレジンやグラスアイオノマーセメント充填)。
- 神経に達するぐらい大きな虫歯の治療は根管治療が必要です(露出した歯髄を保護するMTAというセメントを使って歯髄を保存することをする時もあります)。
子供の歯ならびやかみ合わせの相談
当院では定期検診の際に噛み合わせをチェックし、お子様の年齢に適した指導をいたします。具体的にいえば習癖で指しゃぶり、舌の突出、口呼吸などがありますが、いずれも長期に続くと歯ならびに対して悪影響を与える場合がありますので、症状が見られる場合には適切なご指導をいたします。
また、歯並びの問題としては叢生(でこぼこ)、出っ歯、受け口、歯と歯の間の隙間、開咬(前歯の上下が咬まない)、過蓋咬合(上の前歯が下の前歯を深く覆う)などがあります。
乳歯から永久歯の生え変わりの段階で、これらの症状が疑われるときには予防的な治療(習癖の除去や矯正1期治療)によってその症状を抑制、または緩和できるのかどうかを診断します。
また、そのタイミングはいつなのかや矯正が2期治療(永久歯が全部生え変わるまで)まで必要がどうか、抜歯が必要な矯正かどうかなど、それぞれお子様によって違いますので矯正医と相談して診査、診断、治療にあたります。ご相談だけでも可能です。
子供の外傷の治療
外傷、歯の破折や亜脱臼
当院では口腔外科医が在籍していますので、口腔内や口唇の外傷の縫合や脱臼、亜脱臼した歯の再植、破折した歯の保存(神経の保存)を行っております。できるだけ早めにお越しください。急患対応いたします。
歯の完全脱臼について
もし、歯(永久歯)が抜けてしまった時は速やかに抜けた歯をお持ち下さい。再度、生着するかどうかは時間との勝負です。
乳歯は時期にもよりますが再植は厳しい場合がほとんどです。
生理食塩水などに入れてお持ちいただくのがベストですが、もし近くになければ乾かないように水に含ませたティッシュなどに包んでお持ち下さい。
歯を取り囲む歯根膜という線維の生死が重要で、抜けた部位にできるだけ早く戻すことが生着の可否の条件になります。
舌小帯
当院では平成30年3月に日本歯科医学会で出された「小児の口腔機能発達評価マニュアル」に沿って口腔機能発達評価をし、乳児での哺乳障害や幼児での発音障害などの口腔機能発達不全が見られた場合に限り、舌小帯を切除しています。
しかし、当院では局所麻酔での切除になるので、2〜6歳くらいの子供では協力が得られないことが多く、局所麻酔での切除が難しい場合は、成長を待って切除することにしています。
成人の発音障害は舌小帯の切除だけでは解決できないことも多く、大学病院などの言語聴覚士に紹介して共同して治療にあたっています。